この作品を一言で言うならば、「男の美学」を体現した作品であると言えます。
それは、主人公ベルリンの美学そのものであり、その美学とは生き方や生き様ではないでしょうか。
彼の恋愛観及び仕事観の魅力がたっぷり伝わる作品となっています。
仕事における冷徹な計算高さと、熱烈な恋愛の狭間で揺れ動く彼の姿は、何を語るのでしょうか?
ベルリンの仕事観
ベルリンの仕事観は、冷静な計算と情熱の見事な融合です。
彼の行動は計算高く、一つ一つが精密な戦略に基づいています。
しかし、それは冷たさだけではなく、彼の熱い情熱もまた同じくらい重要な要素。
たとえば、彼が宝石泥棒としての計画を練る際、その背後にはただの利益追求だけでなく、深い愛情もあるのです。
ベルリンは強盗チームのリーダーです。
「ペーパー・ハウス」においても教授不在の時にリーダーシップを発揮していました。
彼は冷静沈着でありますが、少々強引にチームを引っ張ることもあり、わがままなリーダーでもあるとも言えます。
彼は埃一つ残さない完璧な宝石強盗をしたたかにおこなっていきます。
また、この作品は非常にテンポ良くリズム感のあるので飽きさせずに次の展開を見たくなります。
ベルリンの恋愛観
彼の愛は熱烈ですが、一時の情熱ではなく、深い愛情に根ざしています。
しかし、彼の恋愛は単純なものではありません。
情熱の裏には、彼の複雑な内面が隠されているのです。
例えば、彼が大恋愛をしながらも、それを仕事と並行してこなす能力は、彼の多面的な魅力を物語っています。
作品では、不倫をしながらも宝石強盗の計画は用意周到にしっかりとこなしています。
それが彼の魅力であり、まさにベルリンの美学と言えるでしょう。
強盗と不倫愛、一般常識では世間からバッシングを浴びるしかない内容です。
しかし、そこに男の美学を垣間見える気がするのです。
男なら一世一代の大きなことを成し遂げたい、その一方で情熱的に誰かを守りたい、愛したい、という思いが誰しもあることでしょう。
ベルリンのダブルライフ。仕事と恋愛の両立。
ベルリンが日常で見せるダブルライフは、彼の独特なバランス感覚の産物です。
一方で、彼は計算高い宝石泥棒としての顔を持ち、もう一方で、情熱的な恋愛を楽しむ男でもあります。
普通の人間であれば、この二つの側面は、互いに影響を与えてしまうものです。
例えば、仕事での成功が恋愛に自信を与えたり、恋愛での失敗が仕事にマイナスに影響したりします。
しかし、ベルリンは仕事と恋愛はまったく別物として割り切っています。
まさにサイコパス的な思考といえましょう。
ただ、物語の終盤を見ればわかるのですが、ベルリンは全体を見て、どう戦略を立てて行動すればいいのかを私たちに教えてくれるような気がしました。
そこには、ただ単純に金儲けをしたいとか、ただ単純に俺の女にしたいとか、そういう浅はかなものではなく、彼の深い愛情を感じ取ることができます。
まとめ
ペーパー・ハウスのスピンオフ作品「ベルリン」はベルリンの半生を描いた内容となっていますが、ベルリン以外にも魅力的なキャラクターがいて、彼らの半生を描くようなスピンオフのスピンオフを見たいと思いました。
特に、ハッキングなどで活躍したケイラです。
彼女は、真面目なのになぜこの宝石強盗チームに加入したのか謎です。
また、私はこの作品を見てある人物を思い出しました。
それは、はてなブログ全盛期にダークヒーローとして暗躍した魁太郎氏です。
ベルリンからは魁太郎氏のような「男の美学」を感じることができました。
仲間を裏切らない、愛する人を守りきる、フラレても愛の歌を歌う姿、まさに魁太郎氏のようなサイコパス的な思考が為せる技といえます。
皆さんもこの作品を見て、今はなき魁太郎氏に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?